台北で蒸包(小さな肉まんのような点心)を食べていたときのことです。
思っていたより量が多く、お腹はいっぱいなのにまだ蒸包が残っていました。
美味しかったので、そのまま残すのはもったいなくて、持ち帰りたくなりました。
でも、そのときは「持ち帰り」が台湾華語(中国語)で出てきませんでした。
文も作れず、単語もあやふやで、どう伝えたらいいのかわかりません。
少し考えてみたものの、結局思いつく言葉はありませんでした。
美味しかったからこそ残したくなくて、少し焦っていたのを覚えています。
しばらく迷ったあと、「もうジェスチャーしかない」と思い、
蒸籠(せいろ)を持って立ち上がり、そのままお店の人のところへ行きました。
そして蒸籠を見せながら、持って帰るようなジェスチャーをして伝えようとしました。
言葉ではうまく言えませんでしたが、そのときは必死でした。
すると、お店の人は私の様子を見るとすぐに理解してくれて、無事に持ち帰ることができました。
その瞬間、「伝わった!」とほっとしたのを今でも覚えています。
安心した反面、「ちゃんと台湾華語で言えなかったな」というもどかしさも残りました。
このとき、言葉が出てこなくても、伝えようとすれば意外と伝わることもあるんだと感じました。
今でも印象に残っている台湾での思い出のひとつです。
持ち帰った蒸包も美味しく、「また来たいな」と思ったのを覚えています。
気づけば、そのお店はお気に入りの一軒になっていました。
帰国してから先生にこの話をすると、
こういうときは「打包(ㄉㄚˇ ㄅㄠ / dǎ bāo)」と言うと教えてもらいました。
実際に困った場面で覚えた言葉は、不思議と今でもよく覚えています。
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