日本語と意味が違う漢字の話

台湾華語学習

同じ漢字を使っているのに、日本語と台湾華語では意味が違う。
台湾華語(中国語)を勉強していると、そんな言葉に出会うことがあります。
戸惑いそうなのに、意外と気にならずに覚えていた言葉もありました。
そのひとつが、
告訴(ㄍㄠˋ ㄙㄨˋ / gào sù)
です。
台湾華語では「伝える」「教える」という意味で使います。
日本語で「告訴」といえば、誰かを訴えるときに使う言葉です。
今考えると、同じ漢字なのに意味がかなり違います。
初めて見たときに「え?」となってもよさそうなのですが、不思議なことに私はそこをまったく気にしていませんでした。
でも、私が気にしていたのは意味ではなく、
訴(ㄙㄨˋ / sù)
の発音でした。
この「ㄨ」の音をちゃんと発音しないと、先生に止められます。
なので、
「日本語と意味が全然違うな」
よりも、
「今の発音で止められるかな」
ということばかり気にしていました。
意味の違いより、「先生に止められるかどうか」のほうが大問題だったようです。

ほかにも、
工作(ㄍㄨㄥ ㄗㄨㄛˋ / gōng zuò)=仕事
老婆(ㄌㄠˇ ㄆㄛˊ / lǎo pó)=妻
など、日本語とは意味の違う言葉はいくつか出てきました。
「工作」は日本語だと何かを作るようなイメージがありますし、「老婆」は日本語ではまったく違う意味になります。
それでも、習ったときは不思議とあまり違和感なく覚えていました。

その一方で、今でも気を抜くと日本語の意味で捉えてしまう漢字もあります。
それが、
走(ㄗㄡˇ / zǒu)
です。
台湾華語の「走」は「歩く」「行く」という意味で使います。
でも日本語で「走」といえば、どうしても「走る」。
台湾華語で「走る」は、
跑(ㄆㄠˇ / pǎo)
です。
以前、文章の中に出てきた「走」を見て、何も考えずに「走る」と訳してしまったことがありました。
そしてすぐに、
「あ、違った」
となりました。
何度も見ている漢字なのに、気を抜くと日本語で使っている意味が先に出てきてしまいます。
「告訴」は日本語とかなり意味が違うのに、ほとんど気になりませんでした。
「工作」や「老婆」も、不思議とあまり違和感なく覚えていました。
なのに「走」は、今でも日本語の意味に引っぱられることがあります。
すんなり台湾華語の意味で受け入れられるものもあれば、気を抜くと日本語の意味が出てきてしまうものもある。
そして、こういう引っかかり方も人によって違うようです。
ほかの学習者さんの話を見ていると、私とは違う言葉で戸惑っていることもあります。
同じ漢字を使っていても、どこで引っかかるかはそれぞれ違う。
そんなところも面白いなと思います。

★「訴える」:控告(ㄎㄨㄥˋ ㄍㄠˋ / kòng gào)


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